来世(futures)

昔、あつめられたもの

・サ!脳連接派『Neverland, Neighborhood/blue』所収
・文学フリマ東京38にて頒布
・ポ モンの二次創作みたいなもんです

あらすじ
 二十年前に突如として現れた、生き物でも機械でもない謎の存在、アノマリアン。出現当時、世界はつかまえたアノマどうしを戦わせる競技、アノマリアンズ・バトルに熱狂したのもつかの間、アノマとヒトとが交雑可能であることが判明し、実質上ヒトと同化したアノマは〈霊長拡張体〉として人権が認められるに至る。あるときは使役され、またあるときは親となり、今や新生子人口のうち三割ほどがアノマリアンとのハーフである。主人公、砂川=ノルジダリ春は、初代チャンピオンのチームメンバーとして伝説的な活躍をしたザリガニ様アノマ、ラ・ノルジダリシュリンペスと父・衛とのハーフである。
 進学を控えた春、春のもとに、とある人物が訪う。それはアノマリアンの開放者にして代弁者、ラ・ジェルカムラテュス(通称むらたさん)だった。むらたは言う。「弟君、砂川りん君を認知したいと、元チャンピオン・キリ谷キリ生が申し出ています……」
 姿をくらませた母、そして元チャンピオンを求める小さな旅がはじまる。関係者たちを頼りに、そして春は、歴史に埋もれたことどもを、再びあつめなおしていく。


絶対安全鎧骨殻ぜつたいあんぜんがいこつかく

・反-重力連盟、『圏外通信2024』所収
・文学フリマ東京38にて頒布

きになるあのこの鎧のなかは ふつう ふつう わりと……
 毒の雨が降る。防ぐために人は、鎧を出生以前から身に纏う。ある時とある美しい鎧に自我が芽生え、それはあるいは彼人の恋かもしれない。

物語の主要コンポーネント
・鎧(殻)
 無敵の防御装置。主の成長とともにある。
・毒
 降り、あらゆる生物を滅殺する。
・ルル崎
 物語の語り手。中の人。
・ルル崎の鎧
 一本角をもち、白く、美しい。
・ナとう
 ルル崎の幼齢期に面倒を見た。流水を象ったような鎧をもつ。
・ピッ
 紅く、全身に棘のある鎧をもつ。
・かに
 おいしい。人と同じく殻をもつ。
・くま
 殻なしの頂点に君臨する種。
・シ界
 地底世界。死者はそこで祀られる。
・いちじく
 中身のない、自律駆動する鎧のこと。
・シ王
 シ界の王。死鎧の王。